車の騒音が肥満リスクを上げる?
2018.11.26
国際部
道路交通騒音は肥満のリスクの可能性があるという研究成果が11月16日、Barcelona Institute for Global Healthからプレスリリースされた。研究の詳細は「Environment International」オンラインに掲載されている。
今回の研究では、29~72歳の人口ベースのスイスコホート研究データからの33796人のデータを対象に、道路、鉄道および航空機の騒音に対する長期曝露による肥満およびその亜表現型との関連を評価した。BMI、胴囲および体脂肪指数を測定し、体重超過、中枢および全身肥満の判断とした。騒音曝露は、2001年と2011年のスイスの騒音モデルと参加者の居住歴を使用して、住居屋外部分における5年間平均の騒音レベルとした。
その結果、道路交通騒音への曝露は、すべての肥満亜表現型と有意に関連していた。 鉄道騒音は過体重のリスク増加と有意に関連していた。横断的分析では、交通騒音とBMIの関連は心血管疾患既往のある人で強く、鉄道騒音では睡眠の質が低いと報告した人で強かった。これらの関連はその他の騒音また大気汚染とは無関係だった。航空機の騒音と肥満との関連は認められなかった。研究者らは「交通騒音、特に自動車による道路交通騒音への長期間の曝露は、肥満のリスクを増加させ、心代謝および他の疾患発症につながる可能性がある」と結論した。