アジア地域での糖尿病リポート
2019.04.19
国際部
国際金融サービス会社Sun Life Financial Asiaは、このほど、「アジアにおける糖尿病」レポートを発表し、アジアにおける糖尿病患者の増加を抑えるには、協調的な地域社会ベースのアプローチが不可欠だと指摘した。同社の調査では、 世界で4億2200万人余りの成人が糖尿病を患っており、アジア諸国は現在、世界の症例の60%以上を占めているとう。 糖尿病の原因や予防方法についての認識が高まっている一方で、多くの人が依然、この病気と闘うための行動を起こすのに消極的であることが判明している。
新リポート「アジアにおける糖尿病-より健康的な生活を送るために地域社会に力を与える」は、香港、フィリピン、インドネシア、ベトナム、マレーシアに焦点を合わせ、この急速に増大する健康問題に取り組むため、これらの諸国の地域社会に関与させることの重要性に光を当てて現状を報告。
同地域では、都市化、高水準の身体的不活動、汚染、喫煙、不健康な食事などの要因により、深刻な健康危機を引き起こしている。世界的なレベルでは、糖尿病は2011年から2030年までの間に1兆7000億米ドルのGDP損失をもたらすと見込まれており、そのうちの8000億ドルは低・中所得国によって占められる。
同社のクロード・アックム社長は「糖尿病は今世紀のアジアにとって最大の健康問題であり、アジア全域の人々の生活の質を損ないつつある。糖尿病増大を抑える唯一の方法は、地域社会と協力して変化のための機会を創出することである。地域社会は、家族や個人がより健康的なライフスタイルを選択できるように教育し、関与させ、力を与えるための強力な主体となることができる」と語った。レポートの主要統計は次の通り。
『アジアにおける糖尿病』の主要統計
◆世界で糖尿病を患っている成人は4億2200万人
◆2017年の世界での2型糖尿病による死亡数は100万人超
◆糖尿病の直接および間接コストを含め、2011年から2030年までに失われた世界のGDPは1兆7000億ドル
◆世界の糖尿病患者の60%はアジアに居住
◆2050年までに東南アジアの都市人口は倍以上に増える見込み
◆東南アジアの人口の80%は1日に5種類の果物や野菜を食べていない
◆今回の調査の回答者の64%は身体活動や運動の不足が糖尿病の原因であるとみているが、糖尿病の家族と一緒に運動する用意があるのは32%