海のマイクロプラスチック、57%は衣類のホコリ
2019.06.13
国際部
地中海に面したスペインカタルーニャ州のタラゴナ沿岸で行われたマイクロプラスチックの調査結果が6月10日、スペインUniversitat Rovira i Virgiliからニュースリリースされた。
肉眼では見ることができないが人間の健康に影響を与える可能性のあるマイクロプラスチック廃棄物は現在最も注目を集めている環境問題のひとつである。日本でもレジ袋、ストローの廃止やペットボトルの削減などの対策が取られている。また、洗顔料や歯磨き粉に研磨剤として含まれるブラスチック粒子(マイクロビーズ)も全廃への動きが高まっている。
地中海タラゴナへのプラスチック流入は河川、都市の排水システムから、またプラスチックポリマー工場などの産業廃棄物や船舶からの直接廃棄によって生じている。砂浜の堆積物と砂を分析した結果、プラスチックは大きく3つに分類された:ポリプロピレン(42%)、ポリスチレン(37%)およびポリエチレン(16%)。これらのプラスチックは、バッグ、ラッピング、容器などの日用品が廃棄され、波に洗われるなどして細分化したものである。細分化した切片で、サイズが約5ミリメートル以下のものをマイクロプラスチックと、1ミリメートル以下をナノプラスチックと呼んでいる。今回、海水から検出されたマイクロプラスチックの最大57%が衣服からの極細繊維(ホコリ)であることもわかった。