「おなかの張り」は塩分を控えることで解消する
2019.07.5
国際部
胃の不快感で最も一般的な症状である膨満感(おなかの張り)は、食事の塩分に気をつけることで軽減されるという研究論文が7月1日、「The American Journal of Gastroenterology」オンラインに掲載された。
高血圧対策のために米国で考案された「DASH (Dietary Approaches to Stop Hypertension)」食を基本にしたDASH–Sodium試験を実施した。試験は、健康な成人412人を高繊維(32 g / 日)DASH食、または対照の低繊維(11 g / 日)西洋食に無作為に割り付けて30日間にわたって実施された。各参加者は、試験期間中に3つのナトリウム(塩分)レベル(2100kcalで50、100、および150mmol / 日)をランダムな順序で、5日間のインターバルを挟んで摂取した。胃部膨満感は試験開始前、各ナトリウムレベルの食事摂取後に自己報告された。膨満のリスク評価には、対数二項モデル(log-binomial model)を用いた。
その結果、参加者の36.7%が試験開始前に膨満感があると報告した。高繊維DASH食か低繊維西洋食かにかかわらず、高ナトリウム摂取は膨満感のリスクを高めた(リスク比1.27)。高繊維DASH食はすべてのナトリウムレベルで膨満感のリスクを高めた(リスク比1.41)。肥満に対する高繊維DASHの効果は、女性より男性の方が大きかった。研究者らは、健康的な食物繊維の多い食事は胃部膨満感を増加させるが、それは塩分を控えることで軽減される可能性が出てきたと述べている。