60歳代の肥満はのちの脳の灰白質減少と関連
2019.08.2
国際部
中高年の肥満と脳の老化の関連を調査した結果が7月24日、「Neurology」オンラインに掲載された。
米国で行われたNorthern Manhattan MRI Sub-Study参加者1289人(調査開始時の平均年齢64歳)を対象に、高年期の肥満度と脳の老化を示すMRIマーカーとの関連を検討した。BMI、胴囲(WC)、胴囲と腰の比、および血漿アディポネクチンレベルを測定。脳MRI検査で確認される総脳容積(TCV)、皮質厚、白質高信号量(WMHV)、および無症状脳梗塞(SBI)との関連を調査した。関連性の評価には、社会人口統計学、健康行動、および血管危険因子について調整された多変数線形およびロジスティック回帰モデルを使用して、β係数(またはオッズ比)および95%信頼区間(CI)を推定し、年齢、性別、人種/民族との相互作用を調べた。
その結果、より大きなBMI値およびWC値は、より薄い皮質と有意に関連していた。同様に、BMI25未満の参加者に比べ、肥満(30以上)の参加者でより小さい皮質厚を示した。これらの関連は、65歳未満で特に顕著だった。60歳代の肥満が脳の構造的老化を示すマーカーと関連することが示された。