二日酔いの頭痛に効く特別食品の開発
2020.05.13
国際部
二日酔いに効果がある特別医療目的用食品を検討した研究結果が4月30日、「BMJ Nutrition, Prevention & Health」オンラインに掲載された。
今回ドイツで実施された研究は、参加者214人のランダム化二重盲検プラセボ対照介入研究で、二日酔いによる静脈痛症状に対する特別医療目的用食品(foods for special medical purposes: FSMP)の有効性について調査した。FSMPは欧州(EU)法令では「通常の食品、特定の栄養素ないし代謝物を摂取、消化、吸収、代謝または排泄する機能に制限、障害、異常を有する患者、さらに通常の食事の調整のみでは食事管理ができない医療上の栄養要件を有する患者のため」の食品と定義されている。
その結果、体内水分量とアルコール消費量の間に統計的に有意な関係は確認されなかった。また、アルコール消費量と発症した二日酔い症状には個人差が大きかった。そのため、二日酔いの研究試験で用いられるアルコールの量の標準化は、結果の妥当性に必ずしもつながらないことがわかった。一般的に有効と考えられているビタミン、ミネラルおよび抗酸化物質を含むサプリメントは、二日酔い症状の統計的に有意な改善にはつながらなかった。FSMPの効果を検討した結果としては、頭痛、悪心、情緒不安などの特定の二日酔い症状に肯定的な効果がみられ、含有される成分の中では植物抽出物に効果がある可能性が最も高いことが示唆された。