父親の肥満の子への影響、母親の運動で減衰か
2020.06.17
国際部
子どもへの父親の肥満の影響が母親の運動で減衰する可能性があるという研究結果が6月15日、「Journal of Physiology」オンラインに掲載された。
父親の肥満は、その子どのも代謝に悪影響を及ぼすことが知られている。今回の動物実験では、妊娠前および妊娠中の母親ラットの運動が、成人したメスの子ラットのインスリン感受性および分泌に対する父親の肥満の悪影響を軽減できるかどうかを調査した。父親ラットには交配前に通常の固形飼料または高脂肪食(エネルギーの42%が脂肪)を与えられていた。
母親の運動は、肥満の父親によるインスリン刺激性グルコース取り込み低下を弱めたが、遠位インスリンシグナル伝達経路(p-AKT Thr308およびSer473、p-TBC1D4 Thr642およびGLUT4)には変化はなかった。ラットにおける妊娠前および妊娠中の母親の運動は、骨格筋のインスリン抵抗性を弱め、肥満の父親の子どもで観察された膵臓のベータ細胞量とインスリン分泌の減少を弱めた。