尿中代謝物は何を食べたかを正確に反映する

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2020.07.2

国際部

尿検査から食事の質を測ることができ、最適かどうかも判断できるという研究成果が6月22日、英Imperial College Londonからプレスリリースされた。詳細な研究結果は「the journal Nature Food」に掲載されている。

同大学は、Northwestern University、University of Illinois、Murdoch Universityとの共同研究で、人の食事の健康度を測定する新しいタイプの5分間尿検査の大規模な試験を完了した。食事の質の客観的な指標と見なされている代謝物は、さまざまな食品が体内で消化されると発生すると研究者らは考えている。今回の試験は、米国人1848人の尿サンプルを対象に、46種類の代謝物のレベルを分析した。試験結果からは、尿中代謝産物と食品や栄養素の種類との関連が明らかになった。たとえば、アルコール摂取と相関関係がある代謝物、柑橘類、果糖、グルコース、ビタミンCの摂取に関連する代謝物などの特定ができた。また、赤身の肉、そのほかの肉などの摂取に関連する尿中の代謝産物も発見した。特定の代謝産物は健康状態とも関連しており、ギ酸塩やナトリウム(塩分摂取の指標)などの尿中に含まれる化合物は、肥満や高血圧との関連が示唆された。

「食事は人間の健康と病気の主要な要因だが、実際の研究では個人の記憶に依っているため正確に測定することは不可能で、その不正確性は悪名高いほど有名である。アプリや日記による食事追跡にしても、不正確なレポートが作成されることがよくある。今回の試験では、この方法が人の食事の質に関する詳細な情報を提供するのに役立ち、そしてそれが彼らの個々の生物学的構成にとって正しいタイプの食事であるかどうかの判断材料となる」と論文執筆者の一人Joram Posma博士は述べている。

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