ヘアカラーはほとんどのがん発症と関連なし

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2020.09.11

国際部

永久染毛剤(ヘアカラー)の使用とがんリスクの関係を検討した結果が9月2日、「BMJ」オンラインに掲載された。

米国看護師研究に参加した女性11万7200人の36年間追跡調査から、永久染毛剤の使用とがんの発生状況の関連を調査。永久染毛剤の使用状況、持続時間、使用頻度、およびintegral use(持続時間と頻度から計算された累積使用量)および永久染毛剤の使用歴のデータを収集した。Cox比例ハザードモデルを用いて、年齢、多変量修正ハザード比および95%信頼区間を推定、永久染毛剤の使用と全がんおよび特定のがんリスク、およびがん関連死リスクとの関連を評価した。

その結果、永久染毛剤常用は、非黒色腫皮膚がんを除く固形がんまたは造血器がん全般のリスクの有意な増加と関連しなかった。皮膚扁平上皮がん、膀胱がん、メラノーマ、エストロゲン受容体陽性乳がん、プロゲステロン受容体陽性乳がん、ホルモン受容体陽性乳がん、脳がん、大腸がん、腎臓がん、肺がん、および造血器がん、またはがん関連死のリスクにも増加はみられなかった。基底細胞がんのリスクは、永久染毛剤常用者でわずかな増加があった。累積投与量は、エストロゲン受容体陰性乳がん、プロゲステロン受容体陰性乳がん、ホルモン受容体陰性乳がん、卵巣がんのリスクと正の関連があった。ホジキンリンパ腫のリスクは黒髪の女性で、基底細胞癌のリスクは白髪の女性で高かった。

永久染毛剤使用はほとんどのがんリスクやがん死亡率の増加と関連しなかった。しかし、いくつかのがんでわずかなリスク増加が認められたため、今後の研究の必要性が示唆された。

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