メイラード反応によるメラノイジンに肥満予防効果
2020.11.9
国際部
黒ニンニクのメラノイジンを摂取することで肥満予防が期待できるとする論文が11月2日、「Food & Function」オンラインに掲載された。メラノイジンはメイラード反応でつくられる物質で、身近な食品では味噌や醤油の褐色成分が良く知られている。
今回の研究には高脂肪食誘発性肥満のC57BL/6Jマウスを用いた。黒ニンニクのメラノイジンの低用量(50mg)、中用量(100mg)、高用量(200mg)の3グループにマウスを無作為化して、経口投与によるメラノイジンの影響を検討した。
その結果、メラノイジンは特に高用量で、高脂肪食による体重増加と白色脂肪組織量を著しく減少させ、耐糖能を逆転させたことを示した。さらに、脂質異常症を軽減し、肝臓の脂質蓄積と脂肪症の大幅な抑制、脂質代謝を効果的に改善する可能性も示唆された。腸内微生物環境は、細菌の多様性と豊富さが増加することで、改善を示した。マウスの腸内細菌叢の変化では、SCFA産生細菌(Bacteroidaceae)の数が増加し、日和見病原体(EnterobacteriaceaeおよびDesulfovibrionaceae)が減少していた。研究者らは、メラノイジンは抗肥満効果を示し、肥満に対する潜在的な薬剤として使用される可能性があるとしている。