順天堂大学・株式会社ブルボンが、共同研究講座「先進老化制御学講座」開設

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2021.04.19

編集部

学校法人順天堂大学(東京都文京区)と株式会社ブルボン(新潟県柏崎市)は、加齢関連疾患に対する新たな抗老化治療や予防方法を創出することを目的として、共同研究講座「先進老化制御学講座」(責任教授:南野 徹)を2021年4月に開設した。

世界では長寿化が進み、今後先進国では人生100年時代が到来することが想定される一方で、寿命と健康寿命の乖離は大きく社会的な課題となっている。順天堂大学大学院医学研究科・循環器内科学の南野徹教授の研究グループは、これまでに加齢や代謝ストレスにより生じる細胞レベルの老化が心血管系疾患や動脈硬化、糖尿病などの加齢性疾患の発症や進行の一因となることを解明してきた。そのため細胞レベルで老化を治療することが加齢性疾患を治療する上で重要であるとの考えのもと、老化細胞除去(Senolysis)*1や褐色脂肪細胞*2に着目した新たな抗老化治療法の研究を進めている。。

株式会社ブルボンは、「食と健康」に関する研究に積極的に取り組み、産学連携を推進。これまでに南野教授グループとの共同研究から、Senolysisの素材候補の同定や褐色脂肪細胞の活性化を実現する食品由来の素材の研究において一定の成果を得ている。

これまでの共同研究から得られた知見を更に発展させるため、本共同研究講座を設立し、新規の抗老化治療法の開発に繋げるとともに、食品を利用したアンチエイジング素材の開発を目指した共同研究を行う意向。

研究代表者のメ順天堂大学大学院医学研究科循環器内科学 南野徹教授は、「2014年から共同研究を進め、すでに、老化細胞を除去しうる食品素材や、善玉の脂肪である褐色脂肪を活性化しうる食品成分の同定も成功してる。特に老化細胞除去という治療は、心臓病や動脈硬化、糖尿病、がん、アルツハイマー病など、様々な加齢関連疾患を可逆的に改善することがこれまでの基礎研究の成果で明らかとなっている。本共同研究講座で開発する老化細胞除去効果のある食品が実現することで、これまでの健康食品とは一線を画した「食による健康長寿」が可能となるのではないかと期待する。」と述べている。

<共同研究講座概要>
講座名:先進老化制御学講座
設置場所:順天堂大学大学院 医学研究科
設置期間 : 2021年4月~2024年3月
研究体制 :
南野徹(順天堂大学大学院医学研究科循環器内科学 教授)
吉田陽子(順天堂大学先進老化制御学講座 特任准教授)
清水逸平(順天堂大学大学院医学研究科循環器内科学 准教授)
古内 亮(株式会社ブルボン先端研究所 研究員)

*1Senolysis:老化細胞だけを選択的に除去する治療法。老化細胞の選択的な除去は様々な老化病態を抑制することが報告されており、新たな抗老化治療法として注目されている。
*2褐色脂肪細胞:脂肪を分解して熱を産生する細胞。近年の研究から、褐色脂肪細胞の活性化は熱産生に関わるだけではなく、糖尿病や肥満などの生活習慣病の予防に寄与する可能性が示されており、新たな治療標的として注目されている。

参考リンク
学校法人順天堂大学
株式会社ブルボン

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