触覚にかかわる「メルケル細胞」 表皮や真皮の老化に影響を与える可能性を確認

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2021.09.13

編集部

株式会社ファンケル(神奈川県横浜市/代表取締役社長執行役員CEO:島田和幸)は9月7日、触覚にかかわる「メルケル細胞」が、外的ストレスや老化など皮膚環境の変化に応答して機能が低下することを見出し、表皮や真皮の老化に影響を与える可能性を確認したと発表した。

同時に、機能性ペプチド「デカペプチド1)」がメルケル細胞を活性化し、細胞老化を防ぐオキシトシン2)量を増やすことも発見した。

同研究では初めに、酸化ストレスが及ぼすメルケル細胞への影響を調べた。

方法は、希少である生体メルケル細胞の代替としてヒトメルケル細胞癌由来細胞株MCC14/23)(以下、メルケル細胞)を使用し、メルケル細胞の機能を評価するため、触覚刺激の受容に必須であるPIEZO24)(PIEZ2)と、細胞成長を促すIGF15)(IGF1)の二つの機能因子について発現量を測定するというものだ。

その結果、酸化ストレスによりPIEZ2及びIGF1とも発現量が減少し、機能が低下することが示唆された(図1)。

続いて、メルケル細胞に隣接する表皮角化細胞6)の老化による影響を調べた。若い表皮角化細胞と老化誘導させた表皮角化細胞の培養液をメルケル細胞に添加し、PIEZ2とIGF1の発現量を比較した。

若い細胞と比較すると、老化した細胞の培養液に添加したPIEZ2とIGF1の発現量が減少したことがわかった(図2)。

これらの結果から、外的ストレスや隣接する表皮角化細胞の老化によってメルケル細胞の感覚受容や細胞成長などの機能因子が減少し、メルケル細胞の機能低下が引き起こされることが判明した。

また、メルケル細胞の機能低下が、表皮や真皮の老化にも影響を及ぼすことを示唆するデータが得られており、メルケル細胞の機能を維持することが、抗老化に重要な要素である可能性が考えらた。

そこで同社は、メルケル細胞を活性化する成分を探索した結果、アルギニンやグルタミン酸などで構成される合成ペプチド(デカペプチド)が、メルケル細胞を活性化し、PIEZ2とIGF1の発現量を増加することが分かった(図3)。

このことについて同社は「発現量が増加することで、メルケル細胞の機能を向上できることが期待できます」としている。

さらに、抗老化作用が報告されている オキシトシンについて調べた。その結果、デカペプチドの添加によって、メルケル細胞内のオキシトシン量が増加する様子が観察できた(図4)。

以上の結果から、「デカペプチドはメルケル細胞を活性化し、オキシトシン量を増すことで、皮膚の抗老化に働く可能性が考えられました」としている。

同社は今後について「さらに研究を進め、『触覚機能と皮膚老化』という新たな視点からアプローチするアンチエイジング化粧品の開発につなげてまいります」と述べている。

なお、メルケル細とは、1875年にDr.Merkelが触細胞として提唱した物理的な刺激や力の受容を担う感覚細胞で、魚類から哺乳類までと幅広く生物に存在している。

人では指先や手のひらなど感覚の鋭敏な部分に多く、顔を含む全身の皮膚に見られる。メルケル細胞のPIEZ2が反応することで、軽い接触の感覚を感知して感覚神経終末を伝い、脳へと情報を伝達すると考えられている。

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