砂糖入り飲料を飲む習慣は脂肪肝リスクを上げる
2015.06.12
国際部
過度の飲酒が原因とされてきた脂肪肝は、通常の10倍以上もの脂肪が肝臓に貯まる疾患。近年では、飲酒をしない人の「非アルコール性脂肪肝」も増加傾向にある。その原因には肥満や高血圧が挙げられてきたが、今回、砂糖入り飲料と非アルコール性脂肪肝の関係を調査した報告が6月5日、「Journal of Hepatology」オンライン版に掲載された。
調査は、1948年に開始されたアメリカのフラミンガム心臓研究の参加者を対象に行われた。その結果、砂糖入り飲料を飲まない人を1とした場合、非アルコール性脂肪肝になるオッズは、飲む回数が月に1回では1.16、週1回では1.32、一日1回未満では1.61、一日1回以上では2.49だった。さらに、肝細胞の異常を示すアラニントランスアミナーゼレベル(ALT)と砂糖入り飲料の摂取量が関連していることを確認した。ダイエット清涼飲料と脂肪肝には関連性は見られなかった。
アメリカでは、非アルコール性脂肪肝は成人の最大30%に影響を与えているという。全身のだるさや食欲不振、人によっては皮膚に黄疸が見られたり、胸や肩にクモの巣に血管が浮き上がったりするというが、自覚症状は比較的少ない疾患。しかし、放置すれば肝硬変や肝がんへと進行することも少なくないため、早めの対策が必要とされている。今回の研究では、定期的な砂糖入り飲料の摂取量が脂肪肝疾患の大きなリスクと関連していたこと示唆された。