貧乏ゆすりで長生き?
2015.09.30
国際部
貧乏ゆすりが死亡率を下げるかもしれないという研究結果が9月23日、「American Journal of Preventive Medicine」オンライン版に掲載された。
オフィスワークや長時間のテレビ視聴など、座っている時間が長いほど健康に悪影響を与えるという研究が盛んだ。また仕事の効率も悪化するとの視点から、ウォーキングマシンに乗りながら会議をする設備や、立ったまま仕事ができるデスクを導入する企業もあるようだ。これらの背景を踏まえた今回の英国での調査は、貧乏ゆすり(fidgeting)が全死因死亡率の減少につながる可能性を発見したユニークな研究となった。
対象は1999-2002年の女性1万2778人(37-78歳)のデータ。1日の座位時間、貧乏ゆすりの時間のほか、身体活動、食事、喫煙および飲酒状況なども調査し、約12年間の追跡調査で推定死亡率を算出した。
貧乏ゆすりをしないグループのうち、座位が1日7時間以上の人は、5時間未満の人に比べて、全死因死亡率が30%高かった。貧乏ゆすりをするグループでは、座位が1日5-6時間以上の人は、5時間未満の人に比べて死亡率リスクが低かった(ハザード比0.63)。研究者らは、今後はそのメカニズムの解明を進める研究の実施を示唆している。