太極拳が慢性的な首のコリに効果があったという研究が10月13日、アメリカ疼痛学会（American Pain Society：APS）サイトに掲載された。アメリカ・シカゴに本拠地を置くAPSは痛みの緩和の研究や研究成果を公共の福祉や政策に役立てるためことを目的とした科学者、臨床医やその他の専門家からなる学際コミュニティである。

18歳以上で3カ月以上の慢性的な首のコリに悩む114人を対象にした無作為化試験が実施された。参加者は12週間の太極拳を行うグループと、何もしないグループに割り当てられた。また、現在行われている首のエクササイズと太極拳の効果の比較も行った。論文の共同執筆者でハーバード・メディカル・スクールの准教授、また同大学にある太極拳の実践センターTree of Life Tai Chi Center の創設者でもあるPeter M. Wayne博士は「研究の結果、12週間の太極拳は、無治療の人に比べて首のコリをよりよく解消することがわかった」と述べた。また、首のエクササイズよりも太極拳の方で効果があったことも報告された。

太極拳は中国発祥で、筋骨格系の動的な動きと呼吸と瞑想の訓練を必要とする。医療目的の場合は、腰痛、リウマチ疾患および精神障害を持つ人々への助けとなる可能性が示されているが、これまで太極拳を慢性的な首のコリを軽減に応用した研究はなされていなかった。