自分の運動量を正確に把握するのは難しい

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2018.04.23

国際部

自分で認識している運動量と、実際の運動量には大きな誤差があるかもしれないという研究結果が4月12日、米国の南カリフォルニア大学からプレスリリースされた。研究の詳細は「Journal of Epidemiology&Community Health」に掲載されている。

同大学を含む国際研究チームは、「自分は十分に運動をしている(身体活動が活発である)」と考えている人が、実際に活発かどうかを測定する実験を行った。対象となったのは米国の540人、オランダの748人、イギリスの254人。いずれも18歳以上の成人男女で、自身の身体活動量の5段階評価をアンケート調査方式で報告してもらった。また、手首にフィットネス追跡装置(加速度計)を装着して7日間の追跡を行った。

その結果、オランダ人とイギリス人は自身の運動量を「中程度」と自己評価する傾向があり、アメリカ人は「非常に活発」または「非活動的」と評価する傾向にあることが分かった。全体的に、自己申告による身体活動量においては、国による違いは大きくはなかった。追跡装置のデータからは、3カ国のすべてで、年を取るにつれて一般的に活動度が低くなることが明らかとなった。自己申告では「活動的」なアメリカ人は、実際にはオランダ人やイギリス人よりも身体活動量が少なく、活動的ではないアメリカ人の割合は60%、オランダ人では42%、イギリス人では32%だった。自己申告と追跡装置による客観的データの間の差は、「非常に活動的」または「非常に非活動的」と自己申告した人で最も大きかった。この差は環境・文化的背景や国民性によっても引き起こされると研究者らは考えており、運動量に関する国際的な比較研究を行う場合には注意が必要としている。

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