【連載】化粧特許と知的財産権⑭ホソカワミクロン、子会社で化粧品事業を展開(下)

2019.07.24

特集

編集部

ホソカワミクロンは、化粧品事業を本格的に行うため、2014年9月に株式会社ユノインターナショナル(大阪府枚方市)を買収して子会社化するとともに社名をホソカワミクロン化粧品株式会社に変更するなどして化粧品事業に本格進出した。
ユノインターナショナルは、投資会社東豊産業株式会社の子会社として主に化粧品、医薬品等の販売を手掛けていた。買収額は約3億円。また、買収に伴い、ユノインターナショナルは、2014年10月1日より社名を「ホソカワミクロン化粧品」に変更、化粧品、育毛剤等の一般消費者向け商品(マテリアル)の販売会社として製販一体によるビジネス展開をはじめた。
また、ユノインターナショナルの子会社化によって同社は①研究開発・商品開発部門(製薬・美容科学研究センター)②製造部門(五條工場)③販売部門(BtoC=ホソカワミクロン化粧品)が整備され、化粧品・育毛剤事業と医薬DDS事業を2大事業とする基盤を整えた。

現在、化粧品事業(マテリアル事業)の収益を支えているのは、自社通販とOEMによる育毛剤販売。特に、2013年春に機能性PLGAナノ粒子の加水分解する性質を制御することに成功して技術革新を果たし、商品の完成度を高めつつ価格を抑えた新しい育毛剤「ナノインパクトプラス」を開発して市場に投入したことが収益に繋がった。
一方、DDS製剤や医療用デバイスなどの共同研究も着実に進捗し、ロイヤリティ収入も実現している。また、2014年5月にPLGA基材が中国使用許可済原料名リストに収載されたことから、海外展開に勢いづけた。

ともあれ現在、OEM事業で提供しているナノ粒子は、多数の特許を取得した同社独自の製法で、化粧品分野では、同社以外に量産販売が困難な材料となっている。
ナノ粒子は、2001年に経皮浸透性、持続性に優れ、体内で水と炭酸ガスに分解される極めて安全性の高い素材であり、豊富な医療データや学術機関との長期にわたるDDS技術研究成果に基づく各種機能性の提案や新しい機能創出の可能性を最大の特長とする。
2001年に「インスリン封入PLGAナノ粒子吸入製剤の基盤技術の開発」のテーマで、NEDOプロジェクトに採択され、産官学による共同研究を開始したことが当事業の原点。
しかし、知的所有権活用による同社の化粧品・育毛剤事業は、粉体処理装置の販売と比べると規模は小さい。
同社は、中期3カ年経営計画において化粧品、育毛剤事業を新たな収益源へと育てて行く方針を掲げているがグローバルな展開を含めて具体的な戦略と数値目標が待たれる。

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