【連載】化粧品・美容企業の新規上場⑧化粧品・美容企業等の新規上場~アクシージア、マザーズ上場、中国市場を攻略~
2021.07.1
編集部
株式会社アクシージア(東京都新宿区)は「女性の染色体」を美の象徴と位置づけ、アジアの美を日本から世界へ発信する「総合ビューティーソリューションカンパニーを目指す」という信念のもと2021年2月マザーズ市場に上場した。法人設立(2011年12月)して10年で上場を実現した。
同社の段卓代表取締役社長は、中国出身で、日本の大学院を修了後、上場企業勤務を経て2003年に起業。
同社が上場して株式を公開したのは、自社工場の建設や社会的な知名度の向上等を図り、株主に還元できるように会社を一段と成長・発展するのが狙い。
現在、「目元」や「抗糖化」に着目したスキンケア化粧品やサプリメントを製造・販売する。その中で、高価格帯のスキンケアは、全国の美容サロンなどプロユース向けにコンサルを駆使して販売している。
同社の2020年7月期売上高43億円の86%は、中国向けの売り上げで占める。
そのうちの67.6%は、中国で、日本の化粧品ブランドに対するあこがれが非常に大きいことが背景にある。
中国市場で、日本企業の化粧品師エアは、約25%程度。中国市場で日本の化粧品ファンが、同社の狙うユーザー層が対象となっている。
同社は「メイドインジャパンが絶対条件で、日本で作らければ顧客は買わない。原料や調合が同じでも中国で作ったら売れない。当社は、日本にある会社・ブランドとして継続して中国で知名度を上げ、売り上げを伸ばしたい」と説く。
中国において高価格帯製品をECで販売することで、利益率の向上に繋がっていることも特徴の一つ。
同社の化粧品は、7000円から1万円の価格帯を設定している。現地の中国企業の約5倍ほどの価格水準にある。しかし、価格では、現地の中国企業と競合しない。中国の会社が良い化粧品を作っても1000~1500円の壁を越えられない。引き続き、日本のブランドを維持しながら徐々に知名度を上げる計画。
中国での化粧品市場は、今後も継続して年間10%で伸びる見通し。特に大きく伸びるのはECチャネルとみられる。