超加工食品摂取の10年追跡調査の結果報告
2019.06.3
国際部
さまざまな健康上のリスクが懸念されている超加工食品に関する2つの大規模調査のBMJ誌に掲載された結果が5月29日、同誌出版社からプレスリリースされた。超加工食品には、焼き菓子、スナック菓子、炭酸飲料、加糖シリアル、調理済み食品、粉末野菜スープ、再構成肉や魚製品がある。一般的に食品添加物を含み、ビタミンや繊維が不足しているとされる。また、超加工食品は多くの国で1日のエネルギー摂取量のおよそ25~60%を占めると考えられている。
フランスで行われた研究は平均年齢43歳の成人10万5159人(21%男性; 79%女性)を対象としたもので、3300の異なる食品の通常の摂取量を測定するために平均6つの24時間食事調査を実施。加工の程度に応じて食品を分類し、最大10年間の追跡調査(2009~18年)で疾病率を調査した。その結果、超加工食品の割合の絶対的10%の増加が、全体的な心血管疾患、冠状動脈性心臓病、脳血管疾患の有意に高い割合と関連していることを示した(それぞれ12%、13%、11%の増加)。
スペインの研究は、平均38歳の1万9899人のスペインの大学卒業生(男性7786人、女性12113人)を対象に、136項目の食事調査票と超加工食品の摂取量と死亡リスク(「全原因死亡率」)との関連性を評価した。その結果、超加工食品の消費量の増加(1日4皿以上)は、低消費量(1日2皿未満)と比較して、全死因のリスクの62%の増加と関連していることを示した。超加工食品を毎日摂取することで、死亡リスクは相対的に18%増加することが示された(用量反応効果)。
研究者らは「この2つは観察研究なので因果関係を立証することができず、観察されたリスクのいくつかは測定されていない交絡因子によるものである可能性がある」とした。しかし、「研究は生活習慣危険因子と食事の質を考慮に入れており、この結果は超加工食品の健康への悪影響を結び付けたそのほかの研究を支持している」とも述べている。そして、超加工食品よりも新鮮食品または低加工食品の消費を促進する政策を求めている。