経済的・地理的に食品購入が困難な人で高い肥満率

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2019.01.29

国際部

食料の確保に不安がある人ほど肥満傾向であるという研究結果が123日、米University of Texas at San Antonioからプレスリリースされた。

今回の研究は、青少年の健康に関する縦断的研究(Add Health)および米国疾病管理センター修正版の小売食品環境指数(mRFEI)のデータを対象に行われた、食料不安・買物困難(food deserts)と肥満の関係を評価した最初の調査だった。なお、食料不安は、経済的理由から食料を適切に入手できないことを指し、2016年の米国では1560万世帯(12.3%)が食料不安と推定されている。買物困難(原文直訳では食品砂漠)は、地理的理由からスーパーや食料品店に行くことができない状態を指す。

調査の結果、食料不安および買物困難のどちらも、肥満と関連があることが分かった。「手頃な価格で栄養価の高い食品を販売する店舗にアクセスできない地域で生活するアメリカ人は、肥満のリスクが高い」と結論された。また、男性と比較して、女性は食料不安による肥満を起す可能性が高いことが観察された。これは、女性が自分の栄養摂取量を減らすことによって子供たちを食料不安から守る可能性が高いためと考えられている。さらに、黒人とヒスパニック系の家庭では、食料不安のリスクがより高いことも明らかとなった。研究者らは「肥満と闘うためには、人々が栄養価の高い食物への安定したアクセスを確保することが重要」としている。

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