ビタミンDサプリの高用量長期服用で骨密度低下
2019.09.4
国際部
骨の健康を維持する役割を持つビタミンDを、高用量のサプリメントで3年間摂取したところ骨密度が低下したという報告が8月27日、「JAMA」オンラインに掲載された。ビタミンDの推奨摂取量は成人では600IU/日、高齢者では700IU/日とされている。米国では成人の3%で4000IU/日を摂取しているという報告があるが、推奨量以上を1年以上摂取した評価した研究はほとんど報告されてない。
カナダ・カルガリーの単一施設で行われた今回の試験は、55~70歳の骨粗しょう症のない成人311人を対象に、ビタミンD3 の1日摂取量400IU、4000IU、1万IUの3グループに割り付け、ビタミンDサプリが骨密度(bone mineral density:BMD)および骨強度におよぼす影響を3年間の二重盲検無作為化試験で検討したもの。ベースラインレベルでのビタミンDは、25-ヒドロキシビタミンD(25 [OH] D)で30~125nmol/Lだった。
その結果、試験終了時の橈骨の骨密度は、ビタミンD3 の400IU/日グループに比べて4000IU/日グループおよび1万IU/日グループで低下していた。脛骨の骨密度における400IU/日グループとの差は、4000IU/日グループで-1.8mgHA/cm3、1万IU/日グループで-4.1mgHA/cm3だった。破壊荷重試験で評価した骨強度に有意差は見られなかった。