皮膚の大気汚染ストレス予防に植物性フェノール化合物が有望

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2019.09.19

国際部

大気中の浮遊粒子状物質(PM)から皮膚を保護する効果があるかもしれないという研究成果が9月6日、「Antioxidants」オンラインに掲載された。

アトピー性皮膚炎や尋常性座瘡(ニキビ)などの皮膚疾患は、大気中の汚染物質である浮遊粒子状物質(PM)によって誘発または悪化する可能性がある。PMにはまた、早期の皮膚老化を促進する可能性も懸念されている。PM誘発性皮膚疾患と早期皮膚老化は、主に活性酸素種(ROS)が媒介すると考えられており、この有害な影響は、安全で効果的な天然の抗酸化物質による改善が期待されている。

人間の皮膚に対する化粧品の大気汚染防止効果を検証する標準化された方法は確立されていない。現在では、大気汚染のレベルが異なる2つの地域の住民の皮膚を比較することにより間接的に評価されている。例えば、ミラノやローマなどのイタリアの高汚染地域に住む20人の女性の顔について、ナンキョクコメススキ(Deschampsia antarctica)由来エキス、フェルラ酸、およびビタミンCを含む美容液をテストした4週間の試験では、美容液が経表皮水分損失によって決定される皮膚バリア機能を大幅に改善し、皮膚の明るさを向上させたことが示された。また、皮膚酸化ストレスの低減も確認された。また、30人の健康なボランティアの顔半面に多成分粉末のクリーム製剤またはプラセボクリームを塗布し、汚染地域で6時間曝露した試験では、皮膚角質層サンプルをテープストリッピング法で採取した皮膚角質層サンプルから、重金属含有量を分析・評価した。その結果、 プラセボクリームで処理した側の皮膚の金属含有量はベースラインよりも大幅に増加していたが、これらの変化は多成分粉末で処理した側では観察されなかった。

これら実験的研究により、ココア、緑茶、ブドウ、ザクロ、および海藻などの多くの植物に由来する抽出物およびフェノール化合物は、PMに曝露された細胞に対して抗酸化および抗炎症効果があることが示されている。また、フェノール化合物は細胞内のROSレベルを低下させ、および/または細胞の抗酸化能を高めることができ、それにより、PMによる核酸、タンパク質、脂質への酸化的損傷を減衰させることができることが示唆された。

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