オリーブオイルと心血管リスクの関連を評価した論文が3月5日、「Journal of the American College of Cardiology」オンラインに掲載された。地中海周辺地域の人々の低い心血管疾患リスクとオリーブオイルの摂取に関連があることは知られている。今回の研究では、この関連が米国の人々にも当てはまるのかを調査した。

看護師健康調査（1990～2014年）の6万1181人の女性と、医療専門家追跡調査（1990〜2014年）の3万1797人の男性を対象とした。対象者にはがん、心臓病、脳卒中の既往がない人を選択した。食事内容の調査にはベースラインとその後4年ごとに食物摂取頻度アンケートを使用した。オリーブオイルの摂取が心血管疾患、冠動脈性心疾患および脳卒中リスクに関連しているかどうかをコックス比例ハザード回帰で推定した。

追跡期間24年で、心血管疾患6034例が報告された。主な食事とライフスタイルの要因を調整した後、オリーブオイルの摂取がない人と比較して、オリーブオイルの摂取量が多い（大さじ1/2以上または7g /日以上）人では、心血管疾患のリスクが14％低下した。脳卒中または虚血性脳卒中とは有意な関連性は見られなかった。1日5gのマーガリン、バター、マヨネーズ、または乳脂肪を同量のオリーブオイルに置き換えると、心血管疾患および冠動脈性心疾患の合計リスクが5〜7％低下した。オリーブオイルを他の植物オイルと組み合わせた場合、有意な関連性は認められなかった。サブセット解析では、オリーブオイルの摂取量が多いほど、炎症性バイオマーカーのレベルが低くなり、脂質プロファイルが良くなることが観察された。