資生堂、バイオフォトン測定で紫外線による肌の酸化ストレスを確認

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2021.09.29

編集部

株式会社資生堂(東京都中央区/代表取締役社長兼CEO:魚谷雅彦)は9月、光電子増倍管(Photomultiplier Tube)による肌のバイオフォトン(UPE)※1測定技術を応用し、グローバルで人の肌を研究した結果、紫外線による酸化ストレス※2は皮膚組織のメラニン量に関わらず生じること確認したと発表した。

※1:生体から発する目には見えない極めて微弱な光のこと

※2:紫外線ダメージなどにより酸化ストレスが高まると、肌本来がもつうるおい、透明感、ハリなどを保つ機能が低下する

また、同技術を用いて、酸化ストレスは紫外線照射直後だけでなく、その後も持続的に肌に蓄積することを明らかにした。

なお、今回の研究は2020年に実施した「プレステージスキンケア使用実態調査」によって、国・地域ごとに日焼け止め使用率にはバラつきがあり(図2)、紫外線ケアに対する意識の違いがあると考えられたことから実施された。

図2:日焼け止め使用率(2020年資生堂調べ)

従来、紫外線による酸化ストレスを調べるためには、肌から採取した細胞や角層に対して試薬を用いて評価する方法が一般的であった。

しかし、バイオフォトン(UPE)を用いた評価法は試薬を必要とせず、肌を傷つけることなく酸化ストレスを直接評価することが可能だ。

今回はこの評価法を用いて、従来の手法では困難であった、メラニン量が異なる皮膚組織の酸化ストレスの比較評価や、経時で酸化ストレス状態をモニターするなど、詳細な評価を行った。

具体的には、バイオフォトン(UPE)測定技術を活用し、紫外線(UVA)照射直後から照射2時間後までの酸化ストレスを評価した。

その結果、紫外線照射直後に急激に酸化ストレスが発生すること、そして照射2時間後になっても酸化ストレスが完全に無くなることはなく、持続することがわかった(図1a)。

図1a,b,c:紫外線による酸化ストレスは皮膚組織のメラニン量に関わらず生じることを確認(資生堂)

続いて、メラニン量が異なる皮膚組織の酸化ストレスの比較評価を行ったところ、測定した全ての皮膚組織はメラニン量に関わらず、紫外線照射直後に酸化ストレスを受け(図1b)、照射から2時間経っても酸化ストレスが持続していること(図1c)がわかった。

同社は今回の研究成果について「健やかで美しい肌を維持するためには、日焼け止めを塗るなどして紫外線を防ぎ、肌の酸化ストレスの発生を抑制することや、紫外線を浴びた後に適切にダメージをケアすることが重要であることを科学的に示すものです」と結論づけている。

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