新しい肥満対策「肥満塞栓治療」

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2016.04.7

国際部

新しい肥満治療として注目の「bariatric arterial embolization (BAE)」を検討するBEAT Obesity試験の中間結果が、カナダ・バンクーバーで4月2~7日に開催されたインターベンショナルラジオロジー学会国際会議(SIR 2016) で発表された。

インターベンショナルラジオロジーは放射線診断技術を用いた治療方法を指し、コンピュータの普及に伴う画像解析の精密化、器具の進化、費用の低下などで飛躍的に発達してきた分野である。

ここ数年、肥満大国アメリカで注目を浴びる「bariatric arterial embolization (BAE)」は、主に胃で生産される空腹ホルモンのグレリンを動脈塞栓することで減らし、食欲をなくすという減量方法。BEAT Obesityは米国食品医薬品局(FDA)承認のもと実施されている臨床試験である。研究を実施しているアメリカ・ホプキンス大学放射線科のClifford Weiss准教授らは、BAE治療が長期的な効果を示すことを明らかにしたうえで、「(肥満手術で一般的な)胃バイパス手術に比べ、低侵襲的で、回復も早い」としている。

BMI40~60の肥満成人7人を対象とした。BAE治療は全ての患者で安全に成功した。治療後1カ月では平均5.9%の体重減、6カ月後には13.3%の体重減少と劇的な空腹抑制レベルを記録した。治療後3カ月、6カ月の検査で、グレリンは減少したままで推移し、生活の質(QOL)スコアが改善した。研究者らはBEAT Obesity試験は始まったばかりであり、今後の多くの患者の参加を期待しているとしている。

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