麻木久仁子さんの「美彩薬膳講座」が開講
2017.04.21
編集部
タレントで国際薬膳師の麻木久仁子さんによる「美彩薬膳講座(春夏編)」が20日、祐成陽子クッキングアートセミナー(東京都新宿区)において開講した。麻木さんは「薬膳には自分で自分の体をプランニングできる魅力がある。一人でも多くの人が薬膳の素晴らしさを知って、健康に役立ててもらいたい」と強調した。
同講座は全5回(計15コマ)構成。1カ月に1回(1日3コマ)のペースで開催し、8月で終了する。最終日には、パーティ形式でおもてなし薬膳料理を学べ、受講生に修了書が授与される。4月は「中医学と薬膳の基本」をテーマに、「陰陽五行説や邪気等中医学の基本」「薬膳の調理の基本」「薬膳茶についての知識」の3コマについて講義した。
冒頭、麻木さんは「現代人の感覚はひとまず置いておいて、電気もなく、食べ物の確保も難しかった3000年前の人の気持ちになってみて」と受講生に呼びかけ、薬膳の歴史について解説。薬膳の発展には、食に対する先人の膨大な知恵と経験の積み重ねがあるとした。
また、薬膳は中医学の理論に従って作る料理であることから、中医学の柱である“整体観念”に言及。「人間自身は自然の一部でもある。いかに自然を敏感に感じながら生きていくかが大切」(麻木さん)と強調した。さらに「中医学ではバランスを重視する。すべての不具合はバランスが崩れることによって起こる」(同)として、人、自然、心、体内の機能などがすべてバランス良く調和することの重要性を説いた。
薬膳は“体のバランスを整えるための食養生”であることから、「一人ひとりのバランスによって食材は変わる。だから自分にとって良い食材は何かを考える必要がある」(麻木さん)といい、薬膳は個人のオーダーメイド料理であり、単純な薬膳火鍋などが必ずしも自分の体に合うものではないことを注意喚起した。
今回は、陰陽五行説の陰陽を中心に取り上げ、初心者にもわかりやすい寒熱について説明。熱証と寒証の具体的な症状が記載されたチェックシートを使って、受講生に自身の状態をチェックしてもらった。「体は日々変化し続けている。(チェックシートを使って)自分と対話してほしい」(麻木さん)といい、単純に体温計では測りきれない寒熱を基に、体調を整えていくことが基本的なバランスのとり方だと解説した。
続いて、体を温める或いは冷ます具体的な食材などを紹介。受講生自身に、熱証向けと寒証向けのレシピをそれぞれグループに分けて発表してもらった。「今月はどの食材が体を温めるのか、冷ますのかを覚えてほしい。そのうち、冷蔵庫の中を見ると、各食材が赤く(体を温める)或いは青く(体を冷ます)光って見えてくるようになる」(麻木さん)とユニークな例えで場を盛り上げた。
最後のコマでは、家ですぐに取り入れられる「ちょい足し薬膳茶」を紹介した。紫蘇、サンザシ、桑の葉、ジャスミンなど様々な種類を用意。受講生は自分オリジナルの薬膳茶を作って試飲した。また、麻木さんのオリジナル薬膳スイーツ「五色の薬膳ケークサレ」「よもぎ団子入り黒ごま汁粉」、オリジナル薬膳ふりかけがかかったおにぎりが振る舞われ、受講生は満足げに舌鼓を打っていた。
同講座は、麻木さんの国際薬膳師としての初仕事。「脳梗塞や乳がんの経験を通じて、食生活を変えたいという思いから薬膳の勉強をはじめた。薬膳というと、薬臭いとか中華料理だとか誤解が多いので、その誤解を解いてく役割を担いたい。薬膳は美味しくて楽しいものなので、日常の生活に溶け込んでいってほしい」(麻木さん)と抱負を語った。次回は5月18日に開催する予定だ。
- 参考リンク
- 祐成陽子クッキングアートセミナー