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香辛料サフランの成分は美容・薬用分野に有望

現在、主に香辛料として用いられているサフランの可能性を多方面から検討した報告が10月25日、「Cosmetics」オンラインに掲載された。

モロッコの研究者らによる今回の調査は、芳香また薬用製品に自然由来成分が好まれるようになったという近年の傾向を背景にしている。モロッコ国内では4200種の植物が確認されており、そのうち800種が芳香・薬用植物であるという。なかでもサフランはモロッコの多くの地域で重要な収入源とされており、料理の香辛料として、布製品の染料として、また民間療法での伝統的な領域で広く利用されている。調査はまず、サフランの植物としての概要、人の歴史の中での役割を説き、次に含有成分とその薬理活性に焦点を当てた。

美容または芳香成分としてのサフランは、クレオパトラが美容成分として使用したという伝説や、イランの伝統医学では顔色の改善などで用いられてきた。科学的調査では、サフランにはホモサレートより強力なUV吸収効果が確認されており、紫外線予防効果や抗酸化特性による皮膚がんの予防にも期待できると考えられた。また、メラニン生成阻害の効果も知られており、美白化粧品などへの応用も考えられる。注目度の高いアンチエイジングの分野では、炎症、発赤、発疹を特徴とする紅斑と呼ばれる皮膚の状態を緩和することが知られており、このことより炎症マーカーの発現を阻害する作用が予測されている。かゆみ止めと皮膚のターンオーバー促進に関する研究では両方の効果ともにプラセボより優れていることが証明されている。このように、サフランは化粧品用途に有望な成分が多く含まれていることが示されたと研究者らは述べている。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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