病院皮膚科におけるコスメトビジランス
2020.08.25
国際部
三次医療病院における化粧品の有害事象を評価した論文が8月17日、「Journal of cosmetic dermatology」オンラインに掲載された。
コスメトビジランス(化粧品の市販後福作用情報)は、化粧品の通常または合理的に予測可能な使用中または使用後に観察される望ましくないイベントの報告の収集、評価、および監視に関連する活動に利用される。今回の研究では期間中に2万2893人の患者が皮膚科を受診し、87人の患者が被験者として登録された。化粧品の有害事象発生率は0.38%だった。ヘアケア製品はボディケア製品よりも有害事象発生率が多かった。症例の73.56%で疑わしい化粧品が中止され、全員が有害事象の対症療法を受けた。Colipa(欧州化粧品工業会)法を使用した因果関係の評価では、49.43%の有害事象で化粧品が原因の可能性が高いと分類されたが、有害事象の予測因子は特定できなかった。
研究者らは「今回の研究は、美容化粧品販売者、消費者、その他の利害関係者の間で美容化粧品に関する意識向上プログラムなどのアプローチを開発し、実施する必要があることを示唆している」と述べている。