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カロリー制限より定期的な運動が「magic bullet」

定期的な運動は、現在考えられているよりも、肥満対策効果が高いという研究結果が5月16日、米国フロリダアトランティック大学サイトで発表された。研究の詳細は「Cardiology」最新号に掲載されている。

同大学医学部のチャールズ・E.シュミットカレッジの研究者らによれば、定期的な運動は、世界的な懸念である肥満と心血管疾患への「特効薬(magic bullet)」であるという。

米国では定期的な運動をしている人は少なく、成人の約20%(男性23%、女性18%)が推奨レベルの運動を実施している。約64%に人は、まったく運動していない。ヨーロッパではやや多いものの、運動をしているひとは33%、まったくしない人は42%だった。

論文著者の一人であるCharles H. Hennekens博士は「もし定期的な運動が”薬”だったら、多くの人が服用するだろう」と述べている。著者らはまた、定期的な運動が体重のみならず、血圧、コレステロール、トリグリセリド、糖尿病、心臓発作、脳卒中、大腸がん、乳がん、前立腺がん、関節炎、うつ症状、睡眠、性生活などへも影響すると述べている。

これほど大きな益があるのに、人々が運動を好まない理由はどこにあるのかという問いに、運動にかかる時間と努力が必要なことに加え、運動がもらたす「利益」についての知識が足りないことと、著者らは考えている。

著者のひとりSteven Lewis博士は「定期的な運動、カロリー摂取と消費に関しては多くの誤解がある。その結果、体重のコントロールには、定期的な運動より、カロリー制限が実用的とされているのは大きな問題だ」と述べている。

著者らは、1日20分の早歩きで1週約700カロリーとなり、冠状動脈性心臓病リスクを30~40%低下させるという。この方法は高齢者でも実行できる。また、筋肉の維持・増強には、重さのあるものを持ちあげるリフティング運動が安全で効果的であるとも述べている。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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