食品用着色料が口内炎原因の可能性

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2017.01.10

国際部

食品添加物が口内炎の原因かもしれないという研究が12月30日、「International Journal of Dermatology」オンライン版に掲載された。

再発性アフタ性口内炎は一般的に見られるいわゆる「口内炎」で、口中に白く円形または楕円形の潰瘍として表れるもの。原因にはストレス、食べ過ぎ、睡眠不足などがあげられてはいるが、はっきりした原因は特定されていない。また、1~2週間で自然治癒するために効果的な治療法も確立されているとは言い難い疾患である。

今回、食品添加物が口内炎の原因となり得るかどうかを、パッチテストで評価した。同時に、パッチテストが口内炎を引き起こすアレルギー源の特定に有効かどうかも評価の目的とした。対象者は口内炎患者24人と健常対象者22人。全ての対象者に食品添加物23種のパッチテストを実施した。その結果、口内炎患者の21人(87.5%)、対照者の3人(13.6%)で1種以上のアレルゲンに対してのパッチテスト陽性反応が見られた。この2群間のパッチテスト陽性率の差は有意だった(P<0.05)。患者群においてパッチテストで陽性率が高かったのはコチニールレッド(n = 15 [62.5%])、アゾルビン(n = 11 [45.8%])およびアマランス(n = 6 [25%])だった。研究者らは、パッチテストで口内炎の病因決定ができるという可能性を示唆している。

口内炎の原因の可能性があるこれら3種はいずれも赤系の食品色素だった。コチニールレッドはカイガラムシを原料とする天然色素。アゾルビンは日本では使用が認められていない。アマランスは赤色2号と通称される着色料で、米国FDAの試験では発がん性が認められたためアメリカでは使用禁止されたが、再試験で発がん性が認められないとして日本および欧州では使用されている。

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