リンゴ型肥満の人は糖尿病リスク大きい
2017.02.16
国際部
肥満のタイプと糖尿病の関連を調査した研究結果が2月14日、「JAMA」オンライン版に掲載された。これまでの観察研究では、腹部に脂肪がつきやすいタイプ、いわゆる「リンゴ型」の肥満は2型糖尿病および冠状動脈性心疾患(CHD)が多いことが分かっている。今回の研究では、これが因果関係を表しているかどうかを調査した。
以前の研究で特定された、ウエスト:ヒップ比に関与する48種類の遺伝子変異体に基づいて「りんご型肥満」になりやすい遺伝子リスクスコアを開発。このスコアと心臓代謝性、2型糖尿病およびCHDの関連性を検討。心臓代謝特性の推定値は2007~15年に実施された4つのゲノムワイド関連研究の結果(最大32万2154人の参加者を含む)と、2007~11年に収集された英国バイオバンクの個人レベルの断面データ11万1986人分から取得した。2型糖尿病と2型糖尿病の推定値は2007~2015年に実施された2つのゲノムワイド関連研究の概要統計から導き出され、英国バイオバンクの個人レベルのデータと組み合わせた。
「りんご型」になりやすい遺伝子の人では、2型糖尿病と冠動脈疾患のリスク増加が見られた、また血中脂質・血糖値・収縮期(最高)血圧も高い傾向にあった。生活習慣的な要因(食生活・運動習慣・喫煙習慣など)と「りんご型」になりやすい遺伝子の間には関係が見られなかった。これらのことから、遺伝子変異体が生活習慣を介して心血管代謝疾患になるリスクを増加させているのではなく、腹部脂肪を介して心血管代謝疾患のリスクを増加させているという結論が導かれた。