肥満の原因はエネルギーバランスの崩れ
2017.03.9
国際部
エネルギーバランスと肥満の関連を示した論文が2月17日、「Cancer Causes & Control」オンライン版に掲載された。
WHO(世界保健機関)の外部組織、国際がん研究機関(International Agency for Research on CancerLyon)は、2015年12月に低・中所得国に焦点を当て、エネルギーバランスと肥満に関するエビデンスを審査する国際的な専門家作業部会を招集した。
専門家らは、低・中所得国では、栄養過剰と栄養不足の二重の負担があるとし、その原因に質の悪い食事および不均衡なエネルギー摂取を挙げた。また、伝統的な地中海食および同等の質を持つ食事は、長期的な体重調節に寄与し得る。加糖飲料の消費を制限することは、体重管理において特に重要な役割を果たす。遺伝要因だけでは、世界的な肥満の流行を説明することはできないが、遺伝的要因、エピジェネティック要因および微生物叢は、食事や身体活動に対する個々の反応に影響を与える可能性があるとした。
その結果、体重増加の原因は消費エネルギーより摂取エネルギーが多いからである。食事の質は満腹感やその他のメカニズムに影響するホルモンおよび神経系への複雑な経路を介してエネルギーバランスに影響を与える可能性がある。食事環境、不健康な食品マーケティング、都市化、運動量の低下も重要な役割を果たしている。原因として挙げられたほとんどの研究は高所得国のものであり、低・中所得国においてはさらなる研究が必要であると結論された。