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脂漏性皮膚炎の真菌微生物叢、ケトコナゾールで変化

ケトコナゾール2%クリームによる脂漏性皮膚炎の皮膚真菌微生物叢形成への影響を検討した論文が1月29日、「Clinical and Experimental Dermatology」オンラインに掲載された。

今回の前向きコホート研究では、ハイスループットDNAシーケンス法を使用して、ケトコナゾール2%クリームの局所治療前後の脂漏性皮膚炎の皮膚微生物群集を特徴づけることを目的とした。顔面脂漏性皮膚炎患者30人と、対照として年齢および性別をマッチされた健康な15人を研究に登録した。皮膚スワブはベースライン時、ケトコナゾール治療後、および治療後2週間で頬の脂漏性皮膚炎病変部位から採取した。DNAは皮膚サンプルから抽出した。細菌の16SV3V4 rRNAおよび真菌のITS1-5F領域の配列を決定し、R3.6.1を使用して微生物群集の組成を分析した。

その結果、対照との比較で、顔面脂漏性皮膚炎の病変部位で有意に低い細菌および真菌の多様性を確認した。顔面脂漏性皮膚炎では、Cutibacteriumの相対的な存在量の減少と、MalasseziaおよびStaphylococcusの存在量の増加が見られた。病気の多様性はMalassezia、Staphylococcus、Corynebacteriumの相対的な存在量と正の相関があった。経皮水分蒸散量(TEWL)は、Cutibacteriumの相対的な存在量と負の関連がありました。ケトコナゾール治療後、真菌の多様性とCandidaとAspergillusの相対的な存在量は病変部位で有意に増加し、Malasseziaの相対的な存在量は減少傾向を示した。これらの変化は、治療後2週間まで確認された。ケトコナゾール治療は、皮膚常在のMalasseziaを減少させ、真菌の多様性を増加させて、皮膚の微生物叢を復活させることが示された。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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