天然甘味料のトレハロースはメタボ症候群を防ぐ

最新商品

2018.08.27

国際部

天然甘味料のトレハロースの摂取でメタボリック症候群が予防でき、体重管理にも役立つ可能性があることが8月23日、米ワシントン大学医学部からプレスリリースされた。研究の詳細は「JCI Insight」オンラインに掲載された。トレハロースはきのこや酵母に多く含まれている天然の糖質。上品な甘みを特徴し、高い保水力、たんぱく質や組織の保護作用などの機能を持つ。このため、食品、化粧品、医薬品など多くの分野で使用されている。

同大学の研究者らは、マウスを使った研究で、天然甘味料のトレハロースが、肝臓からグルコースを遮断し、インスリン感受性を高める遺伝子を活性化し、糖尿病の発症を抑制することを明らかにした。この遺伝子を活性化すると、カロリー消費が上昇し、体脂肪の蓄積を押えながら体重は増加し、血液中の脂肪およびコレステロールの測定値が減少するという。

「このインスリン感受性を高める遺伝子Aloxe3は、チアゾリジンジオンと呼ばれる一般的な糖尿病薬がインスリン感受性を改善するのと同じ方法でインスリン感受性を改善する」と同大学小児科の助教授Brian DeBosch博士は述べた。また、「肝臓でのAloxe3の活性化はトレハロースと断食の両方によって引き起こされることを示した。両者は、同じ理由で肝臓からグルコースを放出させている」。研究者らはこの成果から、メタボリックシンドローム(肥満、糖尿病および脂肪肝疾患を含む関連疾患)を治療する新しい可能性を示唆している。

#

↑