加糖清涼飲料で女性の心血管疾患リスク増加
2020.05.20
国際部
California Teachers Studyのデータを用いて、加糖清涼飲料が心臓や脳の血管障害に及ぼす影響を検討した研究成果が5月13日、「Journal of the American Heart Association」オンラインに掲載された。
加糖清涼飲料の摂取は肥満と関連しており、課税などにより摂取削減を試みた国や地域も多い。今回の研究はカリフォルニア州の教育関係者のコホートを対象に、加糖清涼飲料と心血管代謝リスクとの関連を検討した。
California Teachers Studyに参加した、心血管疾患や糖尿病の既往がない女性10万6178人を対象に、加糖清涼飲料摂取量と心血管疾患の関連性を調査。加糖清涼飲料は甘味を添加したボトル入りの水、茶、フルーツドリンクと定義し、摂取量は自己管理型の食物摂取頻度アンケートに基づいて推計した。加糖清涼飲料摂取量と心血管疾患の関連性はコックス比例ハザードモデルを用いて評価した。20年の追跡期間中、合計8848件の心血管疾患が報告された。潜在的な交絡因子で調整後、加糖清涼飲料摂取がまれ・まったくない人と比べた1日1杯以上の摂取がある人の心血管疾患ハザード比は1.26、脳卒中では1.21だった。研究者らは、加糖清涼飲料摂取の削減は女性の心血管疾患リスクを軽減するための変更可能な食事療法の目標である可能性があるとしている。