熊本産「パール柑」抽出エキスに「細胞遊走性活性化作用」を確認

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2021.09.22

編集部

株式会社再春館製薬所(熊本県上益城郡/代表取締役社長:西川正明)は9月16日、熊本県を主産地とする柑橘「パール柑」の皮から抽出したエキスに、線維芽細胞の「遊走性※活性化」作用を確認したと発表した。

※生物体(単一の細胞や多細胞の生物体を問わず、細胞や細菌など)の周囲に存在する特定の化学物質の濃度勾配に対して方向性を持った行動を起こす現象(Wikipedia)

これは「コラーゲンを生成する細胞の移動」を意味するもので、この作用により、人体において「ムラの無いコラーゲン生成」分布が期待され、シワ予防効果への応用研究に展開していけることが示唆された。

コラーゲンを生成する「線維芽細胞」は、細胞の密度が薄いところに自ら歩くように移動する働き(遊走性)を有している(写真1)。

写真1

しかし、この力も、年齢を重ねるにつれて衰えていくことが報告されており、同社は「『線維芽細胞密度にムラが生じる』ことは、『細胞の無い箇所では、コラーゲンが生成されない(生成されるコラーゲンの分布にムラが生じる)』と言い換えができる」とも考えた。

そこで同社は、コラーゲン生成のカギとなる「細胞遊走性」を高める可能性を、「地産地消」をめざす研究素材の「パール柑」から抽出したエキスに求めた。

細胞遊走性を有する植物の評価においては、細胞遊走性関連因子(SPP1/CD44v6)の発現量を指標にした。検討の結果、特に柑橘類には活性傾向があることが判明した。

さらに詳細な検討により、「パール柑」から抽出したエキスには、最も有意な効果を見出した(下図)。

また、パール柑エキスの遊走性において線維芽細胞を用いた検証では、濃度に比例して遊走活性が高まることも確認できた(写真2/赤枠内細胞の“疎”→“密”への変化を確認)。

写真2

同社はこのことについて、「コラーゲンが不足した箇所にはシワが生じる一因となるため、パール柑エキスの働きによって、細胞密度が均一化されるという結果は、『(コラーゲンが不足した箇所にも)細胞がバランスよく分布され、コラーゲンが生成されやすい環境に整える』こと、『コラーゲン不足によるシワ発生の予防』を示唆した」と述べている。

今後は、同研究成果をもとに肌のハリ・弾力不足といった肌悩みにアプローチする、独自原料への応用を目指す。

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