【連載】大手化粧品会社の研究(81)コスメティックスロ―ランドの会社研究 ~0EMが中核事業にのし上がる、0EM受注先数百社に~(上) 

2019.03.11

特集

編集部

コスメティックスローランド株式会社(東京都港区)は、1978年12月に法人を設立。会社設立当初、化粧品OEMメーカーとしてスタートした。

現在の事業内容は、医薬部外品・化粧品・健康食品・雑貨等の製造販売及び輸出業務を行っている。最近では、化粧品や医薬部外品のOEM製品や大手化粧品メーカーのプライベートブランド製品、自社ブランド製品など国内外の旺盛な需要に支えられて出荷量が堅調に拡大している。

中でも、OEM供給先が数百社を超えていると見込まれるなど、主力のOEM事業が好調だ。OEMは、Original Equipment Manufacturingまたは Original Equipment Manufacturerの略語で、委託者のブランドで製品を生産することを意味する。

ODMは、Original Design Manufacturingの略語で、委託者のブランドで製品を設計・生産することをいう。生産コスト削減のために製品またはその部品を他の国内企業や海外企業などに委託して、販売に必要な最小限の数量の製品供給を受けることにより、委託者である企業はメリットを享受できる

OEM、ODM形態の特徴は、OEMやODMにより生産を計画する場合、円滑な運営を図るため、委託者と受託者双方の権利義務を明確に規定した契約書を交わすことが一般的。
同社では、OEM生産について委託者から製品の詳細設計から製作や組み立て図面にいたるまで供給を受け、場合によっては、技術指導も行う。

OEM委託者のメリットとしては、製品の市場導入期においてブランドの知名度向上に役立つ。また、市場成長期では、生産能力不足をカバーすることができるほか、市場成熟期・衰退期では、製品構成を維持しつつ、新商品の開発に集中することができる。また、生産のための設備投資が最少または不要となるため、資金的負担が少ないというメリットもある。

一方、受託者である同社のメリットとしては、生産余力の活用が図れることや市場導入期においては、自社技術水準の向上が見込まれる。また、市場成長期では、量産効果が享受できるほか市場成熟期・衰退期では、ある程度の量産維持が実現できる。また、ODMについては、受託者である同社が製造する製品の設計から製品開発までを行う。必要に応じて販促活動の支援も行う。

同社が手掛ける化粧品や医薬部外品のOEM製品や大手化粧品メーカーのプライベートブランド製品、自社ブランド製品も、こうした国内外の旺盛な需要に支えられて出荷量が拡大。現在では、OEM供給先が数百社を超えている状況にある。

現在、OEM事業は同社の中核事業となっており「クー・サイエンスビューティ」が担当している。化粧品の主な取引先は、ドラッグストア・調剤薬局、商社、エステ、理容・美容など。また、OEM事業に加えて問屋を通じたドラッグストア等に向けた営業や関連会社による通信販売も展開。2017年3月期のグループ全体の売上高は、約81億4800万円の見込み。また、グループ全体の社員数は、約400名に上る見込み。

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