【特別企画】大手各社の化粧品事業戦略に迫る(88)サンスターの化粧品研究~紅花から美白成分を開発~(上)

2019.04.10

特集

編集部

サンスターグループは、持株会社「Sunstar SA」(スイス・エトワ)を中心に、事業分野毎に全世界の研究・マーケティング・製造・販売を統括する「オーラルケアカンパニー」、「ヘルス&ビューティーカンパニー」、「SEカンパニー」(接着剤、シーリング材等、モーターサイクル部品の事業を担当)の3事業カンパニーと全世界のガバナンス、管理機能を統括する経営本部(東京都港区)でグローバルナ事業を行っている。
3事業の中で化粧品事業を行っているのが社内カンパニー制のヘルス&ビューティーカンパニー「サンスター」だ。

同社は、歯磨き粉に代表されるオーラルケアのイメージが強いが、1970年代からスキンケア分野に取り組み美白化粧品の販売を行っている。しかし、当時の美白化粧品は、シミなどの有効成分として一般的なビタミンCやプラセンタエキスなどを配合したものが主体だった。
そこで同社は、1981年に美白成分の研究をスタート。シミが作られる原因の「メラニン生成酵素を如何に抑えるか」を研究テーマに美白有効成分を探す研究をスタートした。
そこで化粧品として使いやすく安全な100種類以上もの物質で実験をくり返し、ついに紅花の種子油にそのヒントを発見。特殊な処理を施して精製した「リノレックS」(美白有効成分リノール酸Sの愛称)にシミを抑制する美白効果があることを突き止めた。
シミは、紫外線を浴びることで、肌の奥にあるメラノサイトがメラニンを生み出し、それが蓄積してシミに見える。メラノサイトの中には、メラニン製造機ともいえる酵素チロシナーゼがあり、チロシンを3段階変化させてメラニンを作っている。
同社が18年の歳月をかけて紅花から抽出した脂肪酸の一種「リノレックS」は、チロシナーゼの分解を促進することで、メラニン生成を抑制し、チロシナーゼ=メラニン製造機を減らすことで、メラニンを作らせないというユニークな発想で開発にこぎつけた。

最近では「ノレックS」を内包させてより効率的に肌の内部へ届ける薬物伝送システムを開発するなど化粧品への応用技術に磨きをかけている。
同社は、2018年2月にプラス帯電したカプセル(多層のリン脂質膜でできたナノサイズのカプセル)に美白有効成分「リノレックS」を内包させて、より効率的に肌の内部へ届ける「リノール酸S内包プラスチャージナノカプセル」を開発した。

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