体脂肪量の減少でうつ病リスクも減少
2019.08.30
国際部
メンデルランダム化による体脂肪とうつ病の関連性を調査した結果が8月5日、「Translational Psychiatry」オンラインに掲載された。
メンデルランダム化を使用した最近の研究では、肥満とうつ病は関連があることが示されている。しかし多くの研究では肥満の指標にBMI(体格指数)が使用されており、体重に対する脂肪と非脂肪の区別はつけられていない。今回の研究では、肥満とうつ病の関連性をよりよく理解するために、英国バイオバンク(33万2000人)と世界最大級の精神疾患関連遺伝情報を持つPsychiatric Genomics Consortium(48万人)のデータから、体脂肪量、徐脂肪量、身長とうつ病の関係についてメンデルランダム化研究を実施した。
その結果、脂肪量と身長(低身長)の両方がうつ病の危険因子であることが示唆されたが、徐脂肪量は危険因子とはならなかった。また、脂肪量を減らすことでうつ病のリスクが低下することも示唆された。うつ病の病因研究における身体測定の役割に対する重要な新しい知識がもたらされたと研究者らは述べている。