ライ麦ふすまの成分に抗酸化効果を発見
2019.02.1
国際部
ライ麦の外層に含まれるアルキルレゾルシノールに抗酸化作用があることを発見した研究成果が、「Food Chemistry」Volume 272に掲載された。
アルキルレゾルシノールは、別名「小麦ポリフェノール」とも言われ、穀物の外層(ふすま)に多く含まれる非水溶性ポリフェノールの一種。現在、肥満抑制や老化抑制効果についての研究が進められており、ショウジョウバエを使った研究では寿命延長効果も報告されている。廃棄物の「ふすま」の有効利用となる可能性もあり、注目度も高い。今回発表の研究は、現在主流の合成抗酸化剤に代わる、天然の抗酸化成分の需要が高い食品関連での研究成果である。
米The Pennsylvania State University食品科学部のAndrew S. Elder氏らの研究チームは、ライ麦のふすまから抽出したアルキルレゾルシノールを用いて、オメガ-3系脂肪酸に富む懸濁化した油の保存に有効かの検証を行った。その結果、アルキルレゾルシノールの抗酸化活性が示され、抗酸化物質の添加なしの油との比較で、オメガ-3系脂肪酸の酸化防止が認められた。