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日焼け止め剤に植物油でSPF効果増大

植物油をベースにした日焼け止めの効果SPFを改善するための素材開発を検討した論文が48日、「Cosmetics」オンラインに掲載された。植物油のあるものは紫外線吸収能力を含む多くの生物学的特性を持つ。その特性を利用して、日焼け止め製品に用いられている有機UVフィルターの含有量を減らすための試作が行われてきている。

本研究では、異なるパーセンテージの有機UVフィルター(オクチルメトキシシンナメート、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、およびベモトリジノール)に、植物油のザクロ油(PMG)とシア油(BPO)を組み合わせて、高い日焼け防止係数(SPF)を有する油性剤開発の可能性を検討した。

その結果、植物油を加えた後も、日焼け止め剤の展延性、閉塞係数、pH、および必要な親水性・親油性バランスに大きな変化は観察されなかった。有機物のみを含む同じ日焼け止め剤と比較して、BPO (1% (w/w))またはPMG (1% (w/w))を添加した日焼け止め剤のSPF値は増加することが、分光光度計による計測で確認された。SPF値の増加は、より少ない量の有機UVフィルターを含む日焼け止め剤でより顕著だった。これらの結果から、日焼け止め配合物に適切な植物油を加えることは、有機UVフィルターの含有量を減らすことができ、日焼け止め製品を設計するための有望な戦略であり得るという仮説が支持された。

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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