経頭蓋直流刺激による食欲抑制に関与する遺伝子多型を特定

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2019.05.23

国際部

経頭蓋直流刺激による食欲への影響にCOMT遺伝子Val158Met多型が関与しているという研究結果が513日、「Appetite」オンラインに掲載された。

経頭蓋直流刺激による脳の前頭前野への刺激は、食欲の自己制御作用によりダイエットにも効果があると考えられている。しかし、この根本的なメカニズムはまだ解明されておらず、その応答の変動も個人差が大きい。今回、カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMTVal158Met多型における個体差が食欲に対する経頭蓋直流刺激効果に影響を及ぼし得るかどうかを評価した。Met対立遺伝子の保因者または非保因者の肥満成人女性38人を対象に、無作為化二重盲検偽対照経頭蓋直流刺激介入試験を実施した。線形混合効果モデルおよび混合ANCOVAを使用したデータを分析し、食欲は視覚的アナログ尺度を用いて評価した。

その結果、経頭蓋直流刺激を受けたMet保因者にのみ、時間の経過とともに食欲の大幅な減少が確認された。非保因者では、高レベルの食欲が維持されていた。今回の結果は、ドーパミンレベルに影響を与える遺伝子型の違いが食欲に対する前頭前野への経頭蓋直流刺激に影響を与えることを示唆している。

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