メンズビューティー市場の拡大はリモートでの見栄えか? 東急総研がコラムで掲載

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2021.09.7

編集部

株式会社東急総合研究所(東京都渋谷区/取締役社長:濵名 節)は、9月1日の研究員コラムのなかで「リモート・コミュニケーションが後押しするメンズビューティー市場」のレポートを掲載した。

これによると「化粧品業界におけるメンズビューティーに関する各社の取り組みをみると、例えば、そごう横浜店では紳士フロアを2021年2月にリニューアルする際に、近年の需要増を背景にメンズビューティー関連商品の充実を図るために、売場面積を改装前の約25㎡から6倍の約150㎡に増床した。その結果、メンズビューティー関連商品の売上は、前年同月と比べて約6倍に伸びた」と、まずメンズビューティー市場の拡大を指摘している。

男性向け美容品(写真はイメージです)

その理由について同社研究員は「コロナ禍が続く中、リアルの場で行っていた様々な活動が、オンラインを活用してリモートで行われている。これまで以上に相手の顔をよく見て、表情や素振りなど非言語系のコミュニケーションをより注視することになる。その結果、画面上の自身の映り方、いわゆる『画面映え』を良くする、すなわち『顔』を中心とする視覚的な印象を高めるため、スキンケア、ヘアケアなどを意識し、実行する男性が増えたのではないだろうか」という仮説を立てている。

その証左のひとつとして、2021年に資生堂が行った「『リモート会議/リモート面談における第一印象』に関する意識調査」を引用している。

これによると「リモート会議において相手からポジティブな印象を受けた」点として、1位の「話し方(42%)」に次いで「見た目(30%)」があげられたことを示した。

さらに2021年にパナソニックが行った「ムダ毛ケアに関する調査」を取り上げ、つぎの結果を示した。

●「ステイホームでオンライン会議が増えたことにより、画面上で自身の印象や身だしなみを意識するようになりましたか?」という質問に対し、男性では「意識するようになった(30%)」「どちらかといえば意識するようになった(33%)」の合計が60%超となっている。

●男性が「オンライン会議をすることで、相手の印象で気になるようになったことは何ですか?」という質問については、1位の「ヒゲ・ムダ毛」に次いで肌(「肌のハリ(33%)」、「乾燥(30%)」、「毛穴(23%)」等)に関する事柄が列挙された。

●「オンライン会議が増えたことで、顔の印象で気を付けるようになったことは何ですか?」という質問に対する男性の回答をみると、「スキンケア化粧品を初めて使うようになった(36%)」や「化粧水等でスキンケアを強化するようになった(35%)」となっている。

そしてコロナ後の社会生活においては、「コロナ禍で『画面映え』を経験した男性は『顔』だけではなく、『全身』に対しても視覚的な印象を意識するようになるのではないか」として、メンズビューティー市場が「今後さらに存在感が増す可能性」があると予測している

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