売り場の照明レベルが購買意欲を左右する

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2014.02.26

国際部

人は部屋の照明によって、意思決定の結果が左右されるという研究結果が2月19日、カナダのトロント大学のサイトに掲載された。詳細な結果は「Journal of Consumer Psychology」最新号に掲載されている。

トロント大学スカボロの経営学部準教授Alison Jing Xu氏らは、照明と人間の感情との関連を調べる研究を続けており、人間のポジティブな感情もネガティブな感情も、どちらも明るい照明の下ではより強くなることが明らかとなった。

Jing Xu氏はその例として、晴れた日には、人々は株式市場の動きに楽観的になり、健康であると考える人が多くなり、暗い日には季節性情動障害(冬季うつ)が増加する。また、うつ病を起こしやすい人は、晴れたに日にうつ状態になりやすく、自殺のピークは、晩春と夏という、日差しが多い時期であることなどを挙げた。

明るい光が感情に影響を与えるシステムは、人が光を熱として感知したことによる可能性が考えられ、熱の感知が人の持っている初期の感情的な反応を強化するという。

日常の意思決定の多くは明るい光の下で行われているため、冷静な判断が必要な場合は、照明を落とす、または暗い場所で行うと良いかもしれない。また、購買意欲を高める工夫を考えているマーケティング担当者は、販売する製品の性質に合わせて、売り場環境の照明のレベルを考えるべき。「花や婚約指輪などの感情に訴えかける製品が、明るい場所で売られているのは理にかなっている」。

Jing Xu氏は、この効果は昼前後の強い太陽光の下でと、地域的には曇りの日よりも晴れの日が多い地域で表れる可能性が高いと指摘している。

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