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都市住民による空き地の手入れがメンタルヘルスを改善

近所の空き地の手入れがメンタルヘルスに与える影響を評価したクラスター無作為化試験の結果が7月20日、「JAMA Network Open」に掲載された。

研究は米国ペンシルベニア州フィラデルフィアに住む成人サンプル442人を対象に行われた。参加者を3つの研究グループ、緑化介入を実施するグループ、ゴミの除去のみ(草取り含む)を行うグループ、介入なしのグループに無作為に割り当てた。参加者の平均年齢は44.6歳、約6割が女性、約4割が世帯年収2万5000ドル未満だった。研究期間は18カ月間の予備介入と介入後の追跡調査とした。研究は2011年10月1日から2014年11月30日まで実施され、データ解析は2015年7月1日から2017年4月16日まで行われた。空き地の手入れは緑化介入とされ、その内容はゴミの除去、整地、芝や樹木の植栽計画、木製周縁柵の設置、毎月の定期的なメンテナンスなどとした。メンタルヘルスの評価尺度としてKessler-6 Psychological Distress Scaleを用いた。

その結果、地域住民のうち成人では、自己報告された抑うつや無力感は有意に減少し、緑化介入を受けた空き地近くの住民には有意ではないもののメンタルヘルスの改善が見られた。緑化介入なしの場合と比較して緑化介入を行ったグループでは、うつ状態および無力感の有意な改善が見られた。研究者らは、精神的健康が悪いとされる現代において、特に資源が限られた都市環境で行われる空き地の緑化は、医学的治療と並行して精神保健上の問題の重要な治療法となりうるとしている。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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