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ゴマ由来セサモリンにメラニン形成抑制効果

マウス悪性黒色腫由来B16F10細胞のメラニン形成に対するセサモリンの阻害効果の研究成果が10月11日、「Current Pharmaceutical Biotechnology」オンラインに掲載された。

B16F10悪性黒色腫細胞を用いて、3-イソブチル-1-メチルキサンチンによって誘導されるメラニン形成に対するセサモリンの抗メラニン形成効果を評価した。セサモリンはゴマに含まれる脂溶性リグナン類の一種で、セサモールおよびセサミノールの前駆体。体内での抗酸化機能が期待されている物質である。セサモリンの効果は、ザイモグラフィー、チロシナーゼ阻害活性、ウェスタンブロット、および逆転写ポリメラーゼ連鎖反応撫でで評価した。

その結果、セサモリンはメラニン形成に関連する関連mRNAレベル、ならびにチロシナーゼおよびチロシナーゼ関連タンパク質1および2などのタンパク質の発現を有意に阻害することが認められた。セサモリン阻害活性は用量依存的だった。チロシナーゼのドッキングシミュレーション解析により、セサモリン(-6.5 kcal/mol)はチロシナーゼの活性部位に対し、ポジティブコントロール(アルブチン、-5.7 kcal/mol)よりも強く結合することが明らかになった。セサモリンはメラニン形成抑制の候補物質であることが分かった。一方、in silico定性毒性予測システムで弱い感作物質として予測されているため、生物学的皮膚毒性実験等による化粧品材料としての安全性確認が必要であるとされた。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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