化粧品着色料の一部に細胞毒性か

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2022.02.3

国際部

化粧品に使われる着色剤のヒト線維芽細胞への影響を調査した結果が1月30日、「Journal of Cosmetic Dermatology」オンラインに掲載された。

線維芽細胞および線維芽細胞様細胞(FLC)は、皮膚および胃腸管の真皮層に存在する。肌のハリや潤いを保つために重要なコラーゲンやヒアルロン酸などを作る役割があることで、化粧品業界からも注目されている。今回は、9つの合成および天然染料(インジゴカルミン、カーマイン、サンセットイエロー、トロペオリン、アシッドグリーン25、クロロフィリン、タートラジン、リサミン、およびアマランス)がヒト包皮線維芽細胞に及ぼす影響を調査するためのin vitro試験を実施した。MTTアッセイを用いて、ヒトの正常な線維芽細胞に対する染料の影響を調査した。細胞毒性メカニズムを調査するために、脂質過酸化および活性酸素種(ROS)、乳酸デヒドロゲナーゼを含む細胞の酸化ストレスのパラメーターに対する染料の効果を評価した。

その結果、MTTアッセイでは、クロロフィリンが10μg/ml、インジゴカルミンが100μg/mlを超える濃度を示し、線維芽細胞の生存率に有意な低下が観察された。アシッドグリーン25は、非常に高濃度(1000および2000μg/ml)で有意な低下を引き起こしたが、毒性は認められなかった。ほかの染料には、線維芽細胞に対しする有意な影響はなかった。アマランサスとカーマインによる細胞増殖の増強傾向が観察されたが、この傾向は統計的に有意ではなかった。脂質過酸化または乳酸デヒドロゲナーゼに有意な変化は観察されなかった。クロロフィリンは細胞のROS産生を大きく増加させた。ヒト線維芽細胞に対して細胞毒性を示したインジゴカルミンとクロロフィリンの化粧品や医薬品での使用の安全性についてはさらなる研究が必要であることが示唆された。

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