株式会社アイスタイル 取締役 兼 CQO私の使命
インタビュー・山田メユミさん
監修:美容経済新聞
第19回「既成概念にとらわれない働き方を」
出産・育児、介護は
女性だけの問題ではない
一方で、男女問わず、会社に所属してフルタイムでバリバリ働くことが必ずしも正解ということはないと思います。テレワーク含めて、働き方の自由度が高まっているからこそ、様々な選択肢があっていいはずです。社会にはもうすでに実践されている方も増えてきているのではないでしょうか。
ですので、若い世代の女性が“家族との時間を大事にしたい”という理由で、総合職ではなく一般職を選んで就職するのももちろんありだと思います。実際にそういう方も増えているというニュースが報道されてもいますよね。ただ、「バリバリ働くのは大変そうだから、自分はもっと無理のない働き方をしたい」とやる前から消極的になってしまうのは、もったいないとも思います。女性がどのような選択肢を選ぶにしろ、それぞれがいきいきと活躍できる社会インフラはきちんと整えていかなければならないし、パートナーである男性も家事や育児、介護に同等に参加することも必要。またそれをサポートする制度も、女性だけではなく男性も対象としていかなければなりません。ライフステージの変化を女性だけの問題と捉えてしまっては、この課題はまったく解決しないですよね。
効率と生産性を高める
自由な雇用の場とは
アイスタイルは全社員のうち女性が約7割を占めています。事業の内容から考えても、女性に活躍していただかないと、会社の成長はありません。優秀な方が育児や介護で退職してしまうのは会社にとっても損失です。多様性に配慮した働き方の提供というのは、会社の戦略としても必要なことなのです。
今後は、在宅ワークを本当に意味のある制度として機能させていきたいと思っています。ISパートナーズにしても、今は自由度が高いと言っても、まだ自宅と会社とサテライトという三つを拠点にしていただいていますが、究極的にはカフェや帰省中のご実家など、その方が望むならどこでも仕事をしていいはず。もちろんメリハリやけじめは必要ですが、自由度を高めることで生産性を上げて効率よく働いていただける環境づくりは今後も考えていきたいです。
また、せっかくインターネットやスマートフォンがこれだけ普及しているのですから、関東近郊だけでなく、より遠方のサテライトオフィスなど、エリアにとらわれず様々な場所でISパートナーズの仲間を作っていくということも計画しています。
株式会社アイスタイル
取締役 兼 CQO
東京理科大学基礎工学部生物工学科卒業。
化粧品メーカーなどを経て、1999年に個人で発行していた化粧品のメールマガジンをきっかけに『@cosme』を企画立案、サイト立ち上げに参画。アイスタイルの共同創業者であり、現在も同社取締役兼CQOを務めるほか、経済産業省等の消費およびインターネット関連委員も歴任している。2017年より、株式会社かんぽ生命保険、セイノーホールディングス株式会社の社外取締役を務める。