第1期対談第36回 美容業界、採用の傾向とは?

2018.08.1

業界展望

編集部

美容業界における人材確保は急務の課題。ウェブとリアル、双方を通して戦略的な採用活動が求められていると美容経済新聞論説委員 野嶋朗氏は指摘する。美容業界の採用活動の傾向について、美容経済新聞編集長 花上哲太郎がインタビューを行った。

ウェブとSNSの戦略的な活用に加え
リアルイベント型採用に力を入れる企業が増加

花上 最近は美容業界の採用動向が気になっています。

野嶋 ウェブを通じた採用については、戦略的な使い方がますます求められています。『indeed』は存在感を増しており、広告掲載をしている会社が多いですね。『WANTEDLY』は経営者の理念を発信し、求職者がそれに共感して応募ができるので、好評を得ています。

花上 美容業界の人手不足は深刻であり、特に新卒生の採用は各社とも本当に課題を抱えていると思います。動向としてはいかがでしょうか。

野嶋 新卒を採用するには、人的リソースをかなり使う必要がありますよね。傾向としては、リアルな機会を狙った動きが戻ってきているように思います。例えばイベントへのブース出展や、専門学校など学内ガイダンスに力を入れている企業が多いです。これにウェブの活用が加わります。企業としては、前述の求人サイトへの掲載はもちろん、InstagramをはじめとしたSNSを戦略的に使わなければならない状況です。

花上 情報が溢れているからこそ、企業の本当の姿を知りたいという学生も多いでしょうね。

野嶋 ますます「リードゲット(見込み客獲得)」型の採用になっていると思います。ダイレクト・リクルーティング(採用候補者に対する積極的な採用活動)を行う企業も増えています。

経営者の理念、会社の使命の発信は必須
そのうえで福利厚生の充実も

野嶋 とても古典的な手法ですが、サロンオーナーやスタッフを取材したインタビュー集は訴求する力が強いと思っています。

花上 いまの学生や若い人にとっては、古くて新しい手法なのかもしれませんね。

野嶋 この連載でも度々お話ししてきましたが、経営者の理念や会社としての使命に共感して入社した学生や求職者は、入社後のミスマッチが少なく、雇用者も被雇用者にとっても理想的な関係になることが多いです。企業やサロンとしては積極的に発信していかなければなりません。

花上 私たちもメディアとして力を入れていきたいところですね。ちなみに、福利厚生はどれほど重視されているのでしょうか。

野嶋 考慮に入れる求職者は多いと思います。企業側としても考えていかなくてはなりませんね。美容業界は福利厚生に頭を悩ませている企業やサロンはかなりあると思いますが……。会社側に負担のない福利厚生は充実させる必要があるかもしれません。

花上 よくわかりました。どうもありがとうございました。

 

▼この企画について
美容経済新聞では、サロン経営に携わる方に役立つ情報を常にお届けしています。2018年は、論説委員である野嶋朗氏を迎え、今後の市場の変化にいかに対応していくべきか、ヒントを探って参ります。

連載記事
執筆者:編集部


野嶋 朗 (のじま あきら)
株式会社ノートラック代表取締役
ハリウッド大学院大学教授(ビューティサロンビジネス論 クリエイティブビジネス論)

美容と健康分野の組織活性、人材強化、業態開発、販売強化を支援する株式会社ノートラック代表。
1988年株式会社リクルート入社。進学事業カンパニーオフィサー、北海道支社長、街の生活情報事業ユニット長、ビューティ総研センター長を経て2014年12月末日に円満退職。

ビューティビジネス学会理事、日本化粧品検定協会理事、ビューティコーディネーター協会顧問、日本リラクゼーション業協会顧問、米国CCE認定GCDFキャリアカウンセラー、華道草月流師範。

著書
「美容師が知っておきたい 50の数字」㈱女性モード
「うちの新人を最速で一人前にする技術 美容業界の人材育成に学ぶ」㈱講談社
「一生離れないお客さまをつくる方法」㈱女性モード
「データで見るエステティックの今とこれから」㈱フレグランスジャーナル
「美容師が知っておきたい 54の真実」㈱女性モード

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