第1期対談第26回 時間を有意義に使ってスキルアップ!「オンラインサロン」とは
2017.03.1
admin
仕事人、特に美容関係者にとって、スキルアップの機会やキャリア関連の学びの場は貴重なもの。とりわけ今注目されているのは、自分の好きな時間に学べるe-ラーニング。労働時間の中における教育訓練の時間を有効活用するための「オンライン教育」の概要と利点について、美容経済新聞編集長 花上哲太郎が美容経済新聞論説委員 野嶋朗にインタビューを行った。
“客待ち”時間を有効に活用して学べる場・オンラインサロン
野嶋 今回は私も活用している「オンライン教育」についてお話ししましょう。花上さんはオンラインサロンをご存知ですか?
花上 少しですが知っています。
野嶋 それでは、確認を含めて基本のところから。オンラインサロンとは、ウェブ上で開かれるオンラインのスクールビジネスのことです。クリエイターや実業家、コンサルタントなど特定の知識やスキルを持っている人などが主宰者となり、サロンを運営しています。会員は月額で会費を納め、コミュニティに参加します。主宰者が発信する情報を定期的に受け取れ、主宰者とコミュニケーションが取れるのが参加者のメリットですね。
花上 堀江貴文さんなど著名な方から、起業家、スタイリスト、美容家など、講師はさまざまですね。私塾、ファンクラブのような雰囲気です。
野嶋 私も「DMMオンラインサロン(https://lounge.dmm.com)」の「Beau Tech(https://lounge.dmm.com/beautech/)」というところで「野嶋朗のビューティキャリアデザインアカデミー(https://lounge.dmm.com/detail/329/)」を主宰しています。「Beau Tech」は、美容師やエステティシャンなどを主に対象にしています。
花上 受講者、特に美容関係者にはどんな利点があるのでしょうか。
野嶋 美容師やエステティシャンは、自主的に勉強しようとすると、どうしてもサロン閉店時間後などになりがち。労働時間が増えてしまい、体力的にももちません。そのため、お客さまを待っている昼間の時間帯などを活用して、オンラインサロンで勉強することができます。
花上 とてもいい動きですね。フリーランスや中小のサロンに勤めている人には特にメリットが大きい。
野嶋 大手の企業やサロンに勤めている人は、整った教育システムのなかで学べるのですが、そうでない人は自主的に情報を集めて自身のスキルを磨いていかなければなりません。オンラインサロンを使えば、労働時間を極端に増やすことなく、知識を積み重ねていくことができるのです。
「働き方改革」という時流にも即している学びの場
花上 どんな講座が人気なのでしょうか。
野嶋 たとえば「NO LIMIT〜独立から2店舗目を目指す〔美容室経営戦略会議〕」という講座。開設からわずか1週間で500人が集まりました。美容室経営者がダイレクトに経営ノウハウやサロン開業のコツなどを教える講座です。この講座はとにかくテーマと着眼点が良い。他にも「U-REALM」「SNIPS」 などの多くの有名サロンが動画とテキストで技術やマネジメント、マーケティングのナレッジを実践的に提供しています。
花上 「働き方改革」など時流に即していますね。
野嶋 その通りです。生産性を高めて売上げを向上する。そのためには学ぶ必要があり、学ぶ場がどんどん変わっているということですね。フリーランスの方は特にそうですが、教育の機会がないためインプットが止まると“遅れてしまう”という危機感が強い。オンラインサロンはFacebookで交流できるので、ここに参加すれば人脈ができるという利点もあります。
花上 野嶋さんの講座はどのようなものなのでしょうか。
野嶋 美容師が直面しているキャリア関連のテーマ、例えばマネジメント、採用、定着、育成、教育、レールチェンジ、役割、節目、チャンスを掴む、マーケティングといった問題を取り上げ、事例とともに知識を学んでいきます。
花上 美容業界向けのキャリア教育の機会は限られていますから、とても貴重な学びの場ですね。志を同じくする仲間ができるというのも、受講者には大きなメリットでしょう。本日はありがとうございました。
▼この企画について
美容経済新聞では、サロン経営に携わる方に役立つ情報を常にお届けしています。2017年は、論説委員である野嶋朗氏を迎え、今後の市場の変化にいかに対応していくべきか、ヒントを探って参ります。
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- 第1回 モノが売れない今、売るべきなのは?
- 第2回 “目標を達成して終わり”ではないサロンへ
- 第3回 サロンが「サードプレイス」になる条件
- 第4回 海外客の受入れで“勝ち”サロンになる
- 第5回 競争に残る「仕組み」が強い会社
- 第6回 2018年問題、その時、美容業界に何が?
- 第7回 コンプライアンスを守るーーケーススタディと共に
- 第8回 前受金ビジネスを再考する
- 第9回 新たなマーケットも?イールドマネジメントとは
- 第10回 新時代の担い手たち『ミレニアル世代』とは?
- 第11回 市場開拓の余地あり! “オヤジ”たちに注目せよ
- 第12回 業界全体でレベルアップ! 「共創」の時代とは
- 第13回 「マーケティング4.0」の現在こそ、技術力の見直しを
- 第14回 顧客の「ファン化」にもう一度、注力せよ
- 第15回 サロンの「ブランド作り」を徹底する
- 第16回 自社の「教育」そのものをビジネスにする!
- 第17回 ご贔屓さまによる「クチコミ紹介率=リファーラル率」向上を目指す
- 第18回 顧客の「QOL」に即した商品・サービス提案をせよ
- 第19回 企画とコミュニケーションこそが広告宣伝となる
- 第20回 顧客とつながる3つの「tion」
- 第21回 新卒社員マネジメント考①
- 第22回 新卒社員マネジメント考②
- 第23回 ポイント経済圏とは
- 第24回 人生100年!? 「健康寿命」とキャリアを再考する
- 第25回 モノはもう売れない! お客さまが求めているのは“新たな体験”だ
- 第26回 時間を有意義に使ってスキルアップ!「オンラインサロン」とは
- 第27回 脱「のれん分け」!? 日本版フランチャイズを改革せよ
- 第28回 雇用後のミスマッチをなくす! 会社説明会と入社後フォローアップとは
- 第29回 やみくもに「おもてなし」はもう古い。「当たり前品質」こそ飛躍の鍵だ
- 第30回 人をつなぎとめ、リピートにつなげる「フリンジサービス」って?
- 第31回 ケアメニューの広がりとモチベーションの関係
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- 第34回 売り方ひとつでエステティックはもっと変わる!
- 第35回 「コミュニケーション能力」、具体的には?
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